ファンドマネージャーになるには学歴は必要?
「東大卒のファンドマネージャーはなぜいないのか(渡辺博文著)」という本があるくらいです。
但し、ファンドマネージャーの「仕事に就く」には、現実的にはファンドマネージャーは大手金融機関にいるので、そこに就職できるくらいの大学は出ている必要があります。
例えば、有名なファンドマネージャーの出身大学は以下の通りです(順不同)。
こうやってみると、「東大卒のファンドマネージャー」も、結構いますね(笑)。
ファンドマネージャー |
運用会社 |
出身大学 |
藤野英人氏 |
レオス・キャピタルワークス | 早稲田大学法学部 |
岩谷渉平氏 |
アセットマネジメントOne | 東京大学 |
新井和宏氏 |
鎌倉投信 | 東京理科大学工学部 |
清原達郎氏 |
タワー投資顧問 | 東京大学、米スタンフォード大学MBA |
苦瓜達郎氏 |
大和住銀投信投資顧問 | 東京大学経済学部 |
太田忠氏 |
太田忠投資評価研究所(元JPモルガンアセット) | 関西大学文学部 |
得能修氏 |
インベスコ投信 | 愛媛大学 |
澤上篤人氏 |
さわかみ投信 | 愛知県立大学、ジュネーブ大学 |
阿部修平氏 |
スパークス・グループ | 上智大学経済学部、米国ハブソン大学MBA |
高学歴が多いですが、人により様々ですね。
高卒だと書類選考で通らないかもしれませんが、一定の大学を出て、面接にさえ持ち込めば、後は自分の売り込み次第です。
ファンドマネージャー全員に、「運用に学歴が重要か?」と聞くと、おそらく全員がNOと言うと思います。
中途採用の場合、普通は、現役ファンドマネージャーと直々に面接をします。
従って、採用する側も、学歴は入社してから役に立たないことがわかっています。
東大卒だと、何となく賢そうに見える、顧客受けがいい、というメリットはありますが、それは最初だけで、結局パフォーマンスです。
したがって、ファンドマネージャーになるには、金融機関に入れるくらいのある程度の大学を出ていればいいです。既に金融機関に勤めているのなら、既に学歴はクリアされていると考えてOKです。
もし、高学歴に異常にこだわっている運用会社がいたら、そんな会社は遅かれ早かれ淘汰されていくので、気にしなくていいです。
本当に強い運用会社には、もっとワイルドで、儲けることに抜け目がない人たちが集まっています。
一度運用会社に入ってしまえば、そこから先は完全に実力次第です。実力とは、明確に数値化される、超過収益の継続性です。
自ら、色んな仮説を立てて、実際に手間をかけて調べてモデル化し、自分の責任でリスクをとって、その結果が出る世界です。
学歴の高い人にありがちな、「言われたことは完璧にこなす」というタイプの人は向いていないかもしれません。
私の知っている本当に優秀な人は、「学歴がいい程度じゃ話にならない」とわかっており、毎日が受験勉強のつもりで、市場に勝つために努力をしています。
そういう人は、結果的に東大出ていることがありますが、ファンドマネージャーとして優秀である理由は、そこではないです。