証券アナリスト資格優遇の求人。高収入な転職先を5つ紹介。会員を退会する前に知っておくべきこと。
私は証券アナリスト(CMA)を保有しており、外資系アセットマネジメント会社に転職した経験があります。
証券アナリスト資格(CMA)は、銀行、証券、保険業界などの金融機関において、部署によっては資格取得が個人の業務目標になっています。
金融機関で、運用、調査、財務、経理、審査、リスク管理、経営企画、IRなどの部署に配属され、試験前のゴールデンウィークを潰して勉強した20〜30代の若手社員も多いでしょう。
(出所:日本証券アナリスト協会より作成)
しかし、「会社の命令で嫌々取らされただけで、証券アナリストとか興味無いし・・・。年会費18,000円を払うのが嫌だから、受かったら退会」という人もいます。
当たり前ですが、退会すると、CMAは名乗れません。履歴書にも書けません。
退会しなくとも、「資格を取って終わり」の若手がほとんどです。
私はアナリスト協会の回し者じゃないですが、「せっかく資格取ったなら、活かさないと勿体ないな・・・」と思います。
なぜなら、世の中には証券アナリスト資格保有者を優遇する、年収の高い仕事があるからです。
今回は、それを5つ紹介します。
1. アナリスト・ファンドマネージャー
まずは、そのままですが、アナリストやファンドマネージャーです。アナリストはセルサイドもバイサイドも求人があります。
セルサイドのアナリストだと、優秀な人は20代でも1500万、2000万に達します。
以下のように、ヘッドハンターの国内最大級インフラサイトであるビズリーチでは、「証券アナリスト資格必須」という求人をよく見かけます。
(出所:ビズリーチ)
投信・投資顧問会社は、証券アナリスト資格の保有者数を、日本投資顧問業協会に毎年報告します。採用側も、保有者数は、多いに越したことはないでしょう。
日本で最もパフォーマンスの良い日本株投信は、アセットマネジメントOneの「新興市場日本株ファンド」と言われています。運用している岩谷氏は、元々興銀の銀行員でした。そこからアセマネ会社に転職しています。
2. アセットマネジメント会社の年金・投信セールス
アセットマネジメント会社(投信・投資顧問会社)のセールス職も、証券アナリスト資格を歓迎している求人が多いです。
(出所:ビズリーチ)
アセットマネジメント会社のセールスは、顧客と相場や金融市場について話すこともあるため、相応の知識が求められます。そのため、昔ファンドマネージャーだった人が、異動となってセールスをしていることが少なくありません。
全体的に高収入であり、場合によっては、ファンドマネージャーより高いこともあります。
(出所:ビズリーチ)
証券アナリスト試験に合格した20代・30代の銀行員、証券マン、保険会社の若手社員の転職先としても有望だと思います。
3. コンサルティング会社
高年収で有名なコンサル業界の求人でも、証券アナリスト資格保有者は歓迎されています。
(出所: doda)
(出所:ビズリーチ)
4. M&A仲介・アドバイザリー
以下は、「日本で最も平均年収の高い会社上位10社」ですが、そのうち3社が、M&A仲介・アドバイザリー業者です。
日本では、中小企業の創業者の高齢化が進んでおり、後継ぎが見つからず売却する事例が増えています。これが、M&A仲介業界が伸びている背景です。
ビジネスモデルとしては、会社を売りたがっている人と、買いたがっている人をマッチングさせ、M&Aが成約すれば、一定の手数料を徴収します。
M&A仲介・アドバイザリー会社が成長を維持するには、基本的には、M&Aのコンサルタントの数を毎年増やす必要があります。従って、求人が増えているのです。
「M&A仲介」は、売り手と買い手の間に立ち、両方から手数料を得ます。一方、「M&Aアドバイザリー」は、FA(Financial Advisor)とも呼ばれ、売り手か買い手、どちらか片方の顧問として利益最大化に努めます。
このうち、特にM&Aアドバイザリーの求人では、より財務知識が問われるため、以下のように、証券アナリスト資格を優遇していることが多いです。
(出所:ビズリーチ)
うちの銀行は安定しているけど、頑張っても給料あまり上がらないしな・・・
とモチベーションが下がっている金融機関の若手社員もいると思いますが、M&A仲介・アドバイザリーは、自分次第で、頑張れば頑張るほど稼げる業界です。
営業経験があり、かつ証券アナリストも保有している20代〜30代の金融機関の社員にとっては、有望な転職先だと思います。
5. 上場企業のIR・財務部・経営企画
リクルートエージェントの求人検索で、キーワード「証券アナリスト」で絞り込むと、76件出てきます(2019年1月13日時点)
(出所:リクルートエージェント)
その中でよく目にするのは、IR(Investors Relation)部門の求人です。
(出所:リクルートエージェント)
IR担当者は、その企業を代表して、投資家のあらゆる鋭い質問に答えないといけないため、企業全体のことをよく理解している必要があります。
投資家の前にあまり出てこない上場企業のトップよりも、IR担当者の方が、投資家が自社のことをどう見ているのか、客観的によく理解しています。
また、IR担当者は、社長や役員と共に投資家訪問したり、資料作成するので、経営陣との接点も多くなり、上場企業の出世コースの場合が多いです。
IR部門の仕事は、証券アナリスト保有者にとって、面白い仕事であり、有望な転職先だと思います。
まとめ
他にも、証券アナリスト資格保有者が優遇される求人には、IPO業務、ディーラー、経営企画部門、有価証券バックオフィス等、多数あります。
今は大手銀行でもリストラの時代ですので、転職が他人事の人はいないと思います。
証券アナリスト資格の年会費の18,000円は、将来転職して、年収のベースが税引き後で18,000円上がればチャラです。若いうちは、せっかく取得した資格を、いかに社内・社外で最大限活かせるか、考えるべきだと思います。
記事中で紹介した「証券アナリスト資格歓迎」の求人がある転職エージェント
(※既に募集が終了している場合もあります)
・ビズリーチ (https://www.bizreach.jp)
ヘッドハンターの国内最大級のインフラサイト。アセマネ転職では必須。
(※求人検索するには、最初に性別、氏名など13の基本項目を入力する必要があります)
・リクルートエージェント(https://www.r-agent.com)
とにかく求人件数が断トツに多い。どんな業界の転職にも強い。
・doda (https://doda.jp)
リクルートに次ぐパーソルグループのエージェント。リクルートに無い案件もあり。検索項目が豊富。