アセットマネジメントOneの特徴・年収まとめ!合併後はみずほカルチャーか?
アセットマネジメントOneの概要データ

(出所:アセットマネジメントOne HP)
全体収益 | DIAM:39,501(百万円) みずほ信託:194,291(百万円) みずほ投信:22,409(百万円) 新光投信:39,516(百万円) |
投資顧問部門収益 | DIAM:8,588(百万円) みずほ信託:2,590(百万円) みずほ投信:5,050(百万円) 新光投信:232(百万円) |
経常利益 | DIAM:7,717(百万円) みずほ信託:58,882(百万円) みずほ投信:2,600(百万円) 新光投信:5,617(百万円) |
運用資産残高 |
【DIAM】
投資一任契約の資産内訳
【みずほ信託銀行】
投資一任契約の資産内訳
【みずほ投信】
投資一任契約の資産内訳
【新光投信】
投資一任契約の資産内訳 |
役職員数 |
単純合計:1,064人 |
運用業務従事者数 |
単純合計:282人 |
ファンドマネージャー数 |
単純合計:185人DIAM:66人(平均経験年数 18年3カ月)みずほ信託銀行:26人(平均経験年数 13年7カ月)みずほ投信:66人(平均経験年数 14年2カ月)新光投信:27人(平均経験年数 9年9カ月) |
調査スタッフ数 |
単純合計:72人 |
出所:一般社団法人日本投資顧問協会「投資運用会社要覧(平成28年度版)」、一般社団法人投資信託協会の統計データ
※収益は2016年3月期、残高・人数は同3月末。
※ファンドマネージャーの数には、株式以外にも債券や為替等含む。調査スタッフには、エコノミスト等も含む。
アセットマネジメントOneの特徴
2016年10月に、DIAMアセットマネジメント(第一生命とみずほFGが50%ずつ出資)、みずほ信託銀行の資産運用部門、みずほ投信投資顧問、新光投信の4社が合併し、アジア最大の受託資産を抱える運用会社が誕生しました。
新会社の経済的持分比率はみずほFGが70%を占めますので、みずほFGのカルチャーが徐々に醸成されていくと思われますが、統合後間もないので、合併前の個々の特徴を記載します。
旧DIAMの特徴
役員等の上位職については興銀出身者と第一生命出身者の派閥争いもあるようですが、若手も自由に意見ができるフラットで風通しのいい組織と言われます。
若くとも海外駐在などチャンスを与えられることもありますが、基本的にはゼネラリスト志向のため、最初からアナリスト、ファンドマネージャーになれる訳ではなく、それ以外の部署を3〜4年経験することになるようです。
ほとんどが中途採用であるため、他部署との交流は比較的少なく、個人主義的な風土と言われます。
年収は30歳で1,000万円に到達し、国内では野村アセットに次いで高い水準と言われています。
社員の女性比率も高く、子供が3歳まで児童手当が支給されるようです。部署によりますがワークライフバランスは良く、自分次第で定時に帰られるようです。
岩谷渉平さんが運用する「DIAM新興市場日本株ファンド」は、数ある日本株投信のパフォーマンスでトップです。1年で700社訪問するなど足で稼いでいるそうです。
旧みずほ信託銀行の特徴
旧安田信託が前身であり、不動産関連ビジネスには強いと言われています。銀行なので、コンプライアンスには厳しいようです。
給与体系は、銀行グループ全体に準じて年功序列となっており、30代半ばで1,000万円に達するようです。住宅手当も充実しているようです。
旧みずほ投信の特徴
銀行からの出向者が上位の役職を占めており、昇格は銀行出身者が優先される傾向があるようです。銀行系らしくコンプライアンスには厳しいと言われています。
年収は、あくまで目安ですが、30歳で700〜900万、45歳で1300万程度のようです。世間一般的には高収入ですが、運用実績部分の変動は少ないようです。フロントとバックの部門間の給与格差も少なく、基本的には年功序列的な給与体系です。従って、実力主義的な評価を望む若手の退職者は多いと聞きます。
女性の管理職はまだ少ないようですが、育休・産休等の制度面は充実しています。ワークライフバランスを重視して自分のペースで仕事をする方にとっては、満足度が高いと思います。
旧新光投信の特徴
米国のREITに分散投資する「新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)」の残高が約1.5兆円あり、会社の屋台骨となっています。
証券系のため体育会的な雰囲気があり、女性については社員数そのものがまだ少ないようです。
年収は30代前半で1,000万円を超えるようですが、証券系らしくボーナス部分の比率が高く、相場の影響を受けるようです。
アセットマネジメントOneの出身者
数ある日本株投信の中で、パフォーマンストップといわれているのが、旧DIAMの「新興市場日本株ファンド」です。10年で10倍以上になりました。
それを運用しているのが、アセットマネジメントOneの岩谷渉平氏です。いまは、「厳選ジャパン」などのファンドを担当されているようです。
アセットマネジメントOneの求人
ホームページ上では「中途採用は、現在募集しておりません」(2018年10月時点)となっていますが、一般的に運用会社は、優秀な人材がいればその都度採用することがあります。また、退職者が出れば不定期で人材の募集をすることがあります。
もしそのような求人が出ても、転職エージェントに登録していなければ、タイミングよく情報を得ることはほぼ不可能です。
求人が出た時に、チャンスを逃さないように、国内系アセマネ会社に強いリクルートエージェントや、今やアセマネ会社への転職の際には必須ともいえる、ヘッドハンターのインフラサイトである
ビズリーチなどに登録して、チャンスを待っておきましょう。
(参考:資産運用(アセットマネジメント)、ヘッジファンドで私がおすすめできる転職エージェント5社)
アセットマネジメント会社の合併と従業員の裁量や給与について
個人的には、資産運用会社の理想形としては、「少数精鋭のスペシャリティ集団となり、少数のファンドに集中し、残高を増やす」ことだと、思います。
そうすれば、1人1人の業務の裁量は増えますが、その分高い給与で還元されるはずで、優秀な人を集めやすくなります。1つのファンドに集中することで、事務コストも低減できます。意思決定も早くなります。
1つの巨大なファンドとして有名なのが、フィデリティのマゼランファンドです。
日本では、レオスの藤野英人氏が運用するひふみ投信が、そうです。
一方、日系の大手アセットマネジメント会社は従業員も商品数も多く、どうしても事務コストが余計にかかっています。
また、大手アセマネ同志で合併した場合、一般論として、合併前の企業ごとのカルチャーの違いで壁ができたり、従業員が増えて業務が細分化されるため、組織の風通しが悪くなるのが普通です。
同じ会社で、同じ日本株を運用していても、運用チームが違えば、ほとんどお互いに情報共有されないこともある、と耳にします。
大手金融機関同士が合併した場合は、そのような壁を乗り越えられれば、規模の経済が効く、良い運用会社になっていくのだと思います。